コンサルタントに求められる能力①優良な提案の収集能力

 コンサルタントが良く受注する業務の1つに、調達支援業務がある。
 調達支援業務とは、お客様の業務上の課題を定義し、システムを活用した解決策を検討を踏まえ要件定義を行い仕様書(RFP)にまとめる業務だ。
 一連の検討プロセスを使いこなす経験、課題を見定める分析力、要件整理する業務やシステムのノウハウなど、必要な能力を挙げれば切りが無いが、忘れがちなのは、優良な提案をベンダーから収集する能力だ。

 この能力は、提案をしてくれるベンダの立場を慮る心遣いであったり、ブレないコンサルタントとしての立ち振舞いなどが必要である。
 よく提案を検討しているベンダに対して「提案させてやるからなんか検討したものを持って来い」的な上目線のコンサルタントもいるが、これは大間違いだ。コンサルタントは、上の立場で偉い、と思い込んでいる大馬鹿者の振舞いだ。

 提案活動は、ベンダーの持ち出しの活動なので、提案をするかしないはベンダに委ねられる。なので、コンサルタント側は「良い提案をして頂く」ために、正しい情報を公正に正直に提供して、ベンダが過剰な心配やリスクを持ち過ぎて「提案にチャレンジしてみよう」という判断にためらいを持たないようにする。このように双方が歩み寄り、友好な関係性が構築されていないと、ベンダから前向きで優良な提案は出てこない。

 また、この際、気を付けなければいけないことは、決してどこか特定のベンダにだけ肩入れして、提案に有利に働くような動きは決してしてはいけない。どの角度から見ても、公正で公平な態度を取らないといけないと、お客様にも提案してくれたベンダにも迷惑をかけてしまうのだ。
 やや相反することを言っているように思われるが、決して相反しているわけではない。この能力は、コンサルタントの人間力を問われていると思う。