営業力って別にコンサルタントだけに必要ってわけではないでしょ、とか、物売りじゃあるまいしコンサルトにはたいしてその能力はいらないでしょ、といきなりツッコミを受けそうなタイトルだ。まさしくご指摘の通りではあるが、今回はあえてコンサルタントの能力として営業力を選ぶ。
コンサルタントは、知識・経験・スキル等を使って、お客様に適切な助言をしたり、企画書や仕様書を作ることはあっても、実際のシステムを作ったり運用したりすることはない。言い換えると、システム開発や運用のように最後まで残る「ストック業務」に対して、コンサルタントの業務は限られた位置付けの有限な仕事であり、紛れもなく「フロー業務」だ。
お客様の予算の都合がつくときは、この助言や中間成果物作成的な業務に対価を払ってくださるのだが、このあたりの環境が変わると真っ先に削られる業務ともいえる。なので、コンサルタントは、受注したコンサルをやっているそばで、常に次の仕事を見つける営業をしなければいけない。
最近私は、コンサルタントを活用しているお客様の側で、コンサルタントを上手にワークさせるためのアドバイスをする機会も多い(要は、コンサルタントを使う側)。そこで出会う大手コンサルファームの方々は、総じてとても優秀なのだが、一方で現在進行しているコンサルの中に、不要な課題をわざと埋め込むような「営業」をしてくるコンサルタントもいないわけではない。
彼らは、常に高い目標を会社から課せられているはずなので、こういう安直な行動に走りたくなる気持ちもわからなくはないが、私もお客様側でコンサルタントを管理する立場でいる以上、これは見過ごすことは到底出来ず、絶対的にNGを出す。
ではこのような状況で、コンサルタントはどのような営業をしていくべきか。私は、以下のようなことを常に気をつけて営業をしている。
①いまのお客様に対して、継続して別のコンサルを営業する場合、自分たちがやりたいことではなく、お客様が本当にやるべき課題を感度よく見つけて提案すること(なければ無理に提案しない)
→常にお客様目線で、寄り添って考えることが重要!
②その代わり、いまのお客様だけでなく、他の複数の信頼できるお客様候補とも定期的に会話をして、いつでも提案ができるような準備をしておくこと
→複数のお客様候補のコンディションに目くばせをしておくことが必要!
③お客様からの緩い引き合いやニーズがあった場合、仮にそれが自分たちの得意領域から外れていても、ゼロ回答ではなく何か自分たちで出来ることを提案すること
→お客様から、相談すれば何かしらは返してくれる、という信頼感を頂くことが大事!
④売上達成だけのために、価格や内容で無理をしたコンサルを安易に提案しないこと(提案する以上、こちらがやれることを明確に誠実にお伝えすること)
→これをやると最後にはお互いに不幸になるので厳禁!
私に、コンサルタントに求められる営業力が携わっているかどうかは、私自身が評価をすることではないが、上記4点を守った営業活動をした結果、創業以来、常にお仕事を頂けている状況だ。どんなに感謝しても足りないくらいだ。
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