ノーコードローコードツールは使えるのか?

 最近、CMでもよく宣伝をされているノーコードローコードツール。DXの推進には内製化が欠かせないこともあり、このツールが注目を浴びている。

 そもそもノーコードローコードツールとはなにか。簡単に言うと、ソースコードの記述を全く不要にしたり(=ノーコード)、最小限に抑えて(=ロ―コード)アプリケーションやシステムを開発するツールのことだ。ノーコードはプログラミング知識なしで直感的な操作で開発できるのに対し、ローコードは必要に応じてコードを記述することで、より柔軟なカスタマイズが可能、という特徴がある。

 ちなみに世の中にどのようなツールがあるのかというと、よく名前を聞くツールとして、サイボウズ社のkintoneやマイクロソフト社のPower Appsあたりがあげられる。その他にもインターネット等で調べればわかると思うが、多くのサービスが提供されていて、何を使えばいいか、なかなか判断が難しい。

 ツールを比較すればわかるが、機能が多い少ない、価格が高い安い、インタフェースが初心者向き開発者向き、などそれぞれのツールに特徴があり、総じて一長一短と言える。ただ、ツールの選定することももちろん大事ではあるが、そもそもノーコードローコードツールを使って何をしたいのか、をしっかり見定めることがより重要だと思う。

 ノーコードローコードツールを使うメリットは、もはや言わずもがななのでここでは省略するが、「何をしたいのか」を見定める上でも、ノーコードローコードが苦手はことは知っておく必要がある。例えば以下のようなものがよく挙げられる。
●ノーコードツールは大規模開発を行うのには向いていない、ロ―コードツールでも実装機能が制限されてしまうことが多い、と言われている
●機能面での自由度や拡張性は低い
●セキュリティ管理がプラットフォーム依存になってしまうことが多い etc

 さてこのような世の中の評価や風潮を受けて、当社としてはこのツールをどのように考えているか。実は、RPA(Robotic Process Automation)のように職員が作るにはややハードルが高いツールではないので、今後、社内システムの構築ツールとして、DXの施策の推進ツールとして、内製化に向けた手段として、活用が進むのではないか、と考えている。

 これを踏まえて、当社でも以下の取り組みを開始した。

①一般社団法人ノーコード推進協会(NCPA)に加入し、各社の活用状況を情報取集
 ノーコード協会とは、「ノーコード思考」を国内に広め、日本のソフトウェア文化を大きく変えていき、日本を強いデジタル国家にして世界をリードすることを目標にした業界団体。SIerやツールベンダだけでなく公共団体を含むユーザ企業も参画している。2025年3月に当社も会員となり、より実務的な情報を収集し、スキル向上に努めている。

②ノーコードローコード適用コンサルメソッドの開発
 次期システムの企画を検討する際、ノーコードロ-コードツールを適用すべきかを検討し、適用する場合には、どの範囲で適用するか、どのツールを選択するか、どのようなメリットが出すか、を判断するコンサルメソッドを中堅SIerとともに共同開発することとした。近々リリース予定、こうご期待。