SEはシステムコンサルタントに転身出来るのか!

 私がシステムコンサルティング業務を始めたのは、いまから20年以上前である。
 それまで私は、某公共団体のホスト系大規模システムの保守しかしていないゴリゴリのSEであったのだが、ちょうどシステムコンサルティング業務が多発する時代の波に乗ることになる。

 システムコンサルティングという業務をやってみると、私の性格にとても合っていた。最初は、シニアコンサルタントの指導を受けて、いちメンバとして参画していたのだが、割と早くコツをつかんで、早々に独り立ちをすることになる。
 それどころか、ほどなくして、すぐにコンサルティングプロジェクトのリーダに据えられて、「コンサルティングをやりたい」と言ってくるSEを受け入れる立場になってしまった。恐らくいままで50人以上のSEを受け入れてきた経験を持つ。

 さて、タイトルに戻るが、SEはシステムコンサルタントに転身出来るのか!
 もちろん答えはYesである。私だってSE出身なのだから疑いようがない。ではどのくらいのSEがシステムコンサルタントとして独り立ちしたかというと、だいたい2~3割くらいだろうか。思ったより少ないと思われた方も多いだろう。

 まず、最低限必要となるスキルが不足している方が3~4割程度いる。例えば、極端にコミュニケーションが下手、とか、ベーシックなIT知識が欠如している、とか。このような方は、システムコンサルティングを実施する前に、もう少し準備をしたほうが良かったかなと思う。

 次に性格的に向かない方も3~4割はいる。SEは、きちっと設計書を作成して、「システム」や「インフラ」のような明確な成果物を作る仕事だ。ところが、システムコンサルティングという業務は、目に見える成果物が最初からはっきりしていないことが多く、その形や色をお客様と調整しながら進めることが多い。これがきっちりした仕事をやってきたSEの方にとっては、とてもストレスになるらしい。

 さて、いまいまSEをやっていて、いずれシステムコンサルティングをやってみたいと思っている方。システムコンサルティングは、SEとはまたひと味違う醍醐味や楽しみが確実にある。私としては、リアルな開発現場を知っているSEの力こそ、この領域に必要だと思っているので、機会があれば是非ともチャレンジしてみて下さい。