お客様がコンサルタントに何かしらの検討業務を依頼する時は、往々にしてお客様の方でも何をやらせるのか漠然としていることが多い。
私は、作業開始時に、出来る限り詳細な提案書であったり実施計画書を出して、どんな感じに業務を着地させるかをすり合わせるのだが、このタイミングでは限界がある。こうなると、業務を進行させながら、その範囲や深さを調整する能力が必要となってくる。
業務が進んでくると、当初想定になかった検討項目が出てきたり(=範囲)、たいした工数をかけるつもりがなかった作業に思いのほか深い検討が必要となってしまう(=深さ)ことがある。お客様の要望に合わせて、何でもかんでも受けてしまうと、その場はそれでやり過ごすこともできるかもしれないが、無制限に期間やコストがあるわけでもないので、後々契約が守れないなどのトラブルになってしまう。
こんな時にどうすればいいか。業務の範囲の調整方法としては、まず当初計画と比して、それが追加した業務であることをお客様と共有することが重要だ。これさえ出来ていれば、あとはどこまでならプロジェクトとしてストレッチが効くかをこちら側で判断すればいい。要は、追加で実施する業務について、コントロールさえ出来ているならさしたる問題にはならない。
実は、深さの調整のほうが難しい。お客様の期待に応えてアウトプットを出すと、それがデフォルトとなって、さらに深い検討を要求されることがある。私は、深く検討するテーマが、明確に絞れているならできる限り受けるようにしている。ここが、なあなあのまま深く検討をしてしまうと、どこもかしこも深く検討をすることが当たり前になってしまい、その工数はいつのまにか倍増してしまうのでとても危険だからだ。
いずれにせよ、これらの業務の範囲や深さの調整は、お客様に対してプロジェクトの進捗を定期的に共有し、しっかりとコミュニケーションが取れていることが大前提となることは言うまでもない。
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