コンサルタントに求められる能力⑭お客様毎にオーダーメイドする柔軟性

 コンサルティングを長くやっていると、以前実施したコンサルティングと似たような悩みや相談をしてくるお客様がよくいる。こんな時、過去に実施したコンサルティング経験を最大限に活かして対応することが多い。

 お客様にとっても、過去のやり方を流用されることは、アウトプットが予めイメージ出来るし、手戻りなどが確実に減る等悪いことではない。コンサルタントにとっても、効率がよくコンサルティングを実施することが出来るのでむしろウェルカムだ。

 ただし、このようなお客様に対して、過去に実施したコンサルティングの手順を全くカスタマイズしないどころか、その分析結果まで強引に充てこんでくるコンサル業者が散見される。特定の規定に従ってチェックするようなコンサルであったり、同じアウトプットをお客様が強く望んでいるならまだありだが、そうではないならこれはコンサルタントの手抜きだ。

 私に言わせれば、似たような悩みを持つお客様は多くいるが、一方で、同じお客様なんて絶対にいない。お客様毎に事業環境も悩み事も優先順位も違うのだ。過去の経験を利用して効率的なコンサルティングをすることは別に悪いことではないが、これに拘り過ぎては決していけない。

 せっかくお客様の近くで悩みをお聞きして、解決策を一緒に考えられる立場にいるのに、安きに流れるのはもったいないことだ。「コンサルティング業務はお客様毎にオーダーメイドをするものだ」とデフォルトに置いて、これを楽しむくらいの柔軟性がコンサルタントには絶対に求められる能力だと思う。

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