当社に「天の時」「地の利」「人の和」は来ているのか(その2)

 中国戦国時代の儒家、孟子(もうし)の言葉に「天の時、地の利、人の和」というものがある。意味は「天(天候)による好機も土地の有利な条件には及ばない。また、土地の有利な条件も人々の強いつながりには及ばない」ということらしい。

 この言葉は、よく現在のビジネスの世界にも使われていて以下のような解釈が出来る。
・「天の時」は、ビジネスの機会が見定めること
・「地の利」は、自分(組織)が置かれている環境(組織の強みや個人のスキルなども含めて)のこと
・「人の和」は、人脈を含めた良好な人間関係のこと

 このタイトルで1年半前にコラムを書かせて頂き、その際「当社にはチャンスがきている」と結論付けていた。そこで、改めていまいまの状況で検証し直してみたい。

●天の時

 IT業界はDXに取り組む企業がいまだ多く(というか手をつけて対応している最中)、総じて仕事量が多い状態。コンサルタント、PM、SE等のIT人材は不足気味で、他業種から転職してきているエンジニアも目立つ。

 当然、開発コストやエンジニア単価も数年前と比してかなり値上がりしており、いまは受注側も仕事を選ぶことが多い。いつまで続くかは別だが、間違いなく「天の時」は来ている

●地の利

 当社はシステムコンサルティング会社であるが、大手コンサルファームが主に実施しているコンサルティング領域にはあまり手を出していない。SE経験やPM経験、さらには組織マネジメント経験を多く積んできたベテランエンジニアをコンサルタントとして登用していることもあり、提供するコンサルティングサービスは、アドバイザリー業務が中心である。

 このアドバイザリー業務とは、お客様の斜め上に立って、いままで経験してきたことや身につけたスキルを「知識」として提供したり、適切なタイミングで「アドバイス」をすることである。

 例えば、ユーザー企業向けには、CIO補佐官業務であったり、システム調達時の審査員や第3者委員会の委員などが該当する。また、SIer向けであれば、事業戦略の立案支援、プロジェクト管理の品質向上支援、引き合い~提案までの営業戦略立案支援などがある。これらの業務は、コンサルタントの経験に思い切り依存している。また、決して規模の大きな業務ではないが、一方で、意外とどのユーザー企業でもSIerでもニーズがある

 大手コンサルファームには、とても優秀でしっかりと座学を身につけているコンサルタントが多くいるが、我々のような現場経験を散々積んだできたある意味重厚感のあるコンサルタントは少ない。というか、そもそも立ち位置が違っていて、当社は、このような大手コンサルファームのコンサルタントをコントロールする側にいることも多く、競合となることは極めて少ないのだ。やはり「地の利」を感じる

●人の和

 当社は、仕事をする際、「人」と取引をすることを信条にしている。どんなに良い企業でも良い案件に見えても、それを担当する「人」を見てから、仕事をさせて頂くかやめておくかを決めているのだ。

 このような信条の元でお客様とお付き合いをさせて頂いた結果、おかげさまで2024年度にお取引のあった主柱のお客様(3社)からは、引き続き仕事をして欲しい、とのオファーを頂けている。なかでも、某SIerのお客様は、契約条件を見直しをして頂き、よりお取引が拡大するような道筋を立て付けて頂けた。

 また、主柱のお客様以外にも、某大手SIerから、新たにアドバイザリー業務の依頼を頂きつい先日成約できていたり、ノーコードツールを使った新たなコンサルメソッドをお客様と共同で開発を始めたりと、新しい業務の芽が数多く出始めている。ありがたいことに、今年度は、既に手一杯に近い盛況だ。

 社内の体制に目を向けると、1年半前には、3名のコンサルタントが合流してくれていたが、いまは大分増えて7名のコンサルタントが合流してくれている。いろいろな会社や業務で研鑽を積んできたくれたベテランのコンサルタントばかりで、こういう方々が快く私に力を貸してくださるのがとてもうれしい。やはり「人の和」も確実に大きくなっている

 以上の分析を踏まえて、改めて当社には「天の時」「地の利」「人の和」は来ているような気がする。当社の創業の理念である「健康」「感謝」「謙虚」「礼節」をしっかり心に留めつつ、引き続き大胆に動いていきたい。

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