コンサルタントに求められる能力㉒課題を言い続ける力

 コンサルタントが初めてお客様から現行システムの課題や次期システムの構想を聞いたとき、違和感を覚えることが少なくありません。これは、自分のこれまでの経験や知識と異なる考え方や状況に出会うからであり、実はこの「違和感」こそが非常に重要な感覚なのです。その違和感の中に、潜在的な課題が隠れていることが多いのです。

 おそらく、この感覚はシニアクラスのコンサルタントであれば誰もが持っているはずです(この感覚がなければ、コンサルタントは務まりません)。しかし、難しいのはその先です。この違和感を持ち続け、課題として認識し、改善策を提案・実行できるようになるまで、あきらめずに言い続ける――この粘り強さこそが本当の意味での「課題を言い続ける力」なのです。

 課題の中には、比較的すぐに解決できるものもありますし、お客様が迅速に対応してくれることもあります。しかし厄介なのは、企業文化や長年の慣習に起因するような根深い課題です。これらはなかなか変わらず、何よりもお客様自身がそれを課題と認識していない場合が多く、対処が非常に難しいのです。

 こうした根深い課題を繰り返し伝え続けていると、顧客はだんだん耳を貸さなくなり、コンサルタントも疲弊してきます。結果として、より手を付けやすい目先の課題に話題が流れてしまう、ということが起こりがちです。

 私が知っている一流のコンサルタントは、顧客に迎合することなく、どれほど根深い課題であっても一貫して言い続ける力を持っています。時には顧客と対立し、契約が終了してしまうこともあるようですが、彼らはまったく動じません。「コンサルタントとして言うべきことを言わないのは手抜きである」――そう考えて、信念を持って行動しているように見えます。

 では、私自身はどうか?
 違和感を察知し、そこから課題を見つけ出す力はある程度あると自負していますし、顧客に対してその課題を指摘することも行っています。
 ただし、それをどこまで言い続けられているかはかなり怪しいです。契約が切れること自体は恐れていないものの、顧客と対立してまで課題を主張し続けるには、かなりのエネルギーが必要です。正直、常にできているとは言いきれません。

 とはいえ、私の性格上、この能力を完璧に身につけるのは難しいのかもしれません。だからこそ、私は自分にできる範囲で、最大限の誠実さと知識をもってコンサルティングに向き合うしかない、と思っています。
 ああ、こう考えてしまうあたり、やはり「課題を持ち続け、言い続ける力」がまだ足りていないのが、バレてしまいますね笑。

*ChatGPTにて原文を見直し済み

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です