弊社はシステムコンサルティング業務を主戦場にしている。所属するコンサルタントは、ここまで色々な経験をしてきている50歳以上の方ばかりだ。
それもあってか、何か新たなシステム化企画を検討する等、実際に手も動かすことも含めたコンサルティングは、意外と減ってきている。一方で、最近依頼されることが多くなったのがアドバイザリー業務だ。
この業務は、手を動かしたり考えたりするのはお客様で、我々はそのプロセスや結果を聞いて、レビューをしたり、意見を述べたりすることになる。このアドバイザリー業務に求められるスキルやコンピテンシーは例えば以下のようなものだ。
- ベースとなる知識はコンサルタントの経験そのもの。かつて自分が直面したシステム開発案件、管理した組織、習得したスキルや技術等を思い出し、アドバイスとして提供することになる。類似する経験値を提供することになるので、当然お客様の半歩〜一歩先に行くアドバイスが可能となる。
- ただし、自分の経験をだだ押し付けるのではダメで、お客様の状況やニーズをしっかりと汲み取って、これらの経験をテーラリングしたりカスタマイズしたりする柔軟性が必要となる。
- また、お客様が相談してきている課題の重要度や緊急度、お客様自身のスキル、お客様から頂けている信頼度合いなど、様々な要素を加味して、効果的にアドバイスが伝わるためのコミュニケーション能力ももちろん必要となる。
まあ、これらのことは挙げればキリがないところであるが、上記3つでも実はかなりの難易度の高い。
これは、座学で色々なことを学んでいるだろうコンサルファーム出身の若手コンサルタントには、なかなかハードルの高い業務だと思う。
当社にアドバイザリー業務の依頼が増えているのは、幅広い経験(≒多くの失敗体験)を持つベテランコンサルタントが所属しているからだと思う(言い換えると、若手コンサルタントがいないだけ)。
私たのたちの経験が、カタチを変えて、他の方の役に立つのなら、それは本当に嬉しいことだ。ご依頼のある限り、続けていきたい。
最後に。このようなアドバイザリー業務を有効なものにするためには、いままでアドバイスを出す側の目線で書いてきたが、実はアドバイスをもらう側のスキルやスタンスもとても大事である。
- もらったアドバイスに対して、それを踏まえて自分たちでどのようにするか考えることが出来るか?
→必ずしも、アドバイスが相談者にとって全て正しいわけではないので、最大限参考にしつつ、最後にどのように受け入れるかは自分たちで判断する能力が必要
- 耳障りの悪いアドバイスは聞かない、または、言わせないようなフィルタリングをしていないか
→耳障りの悪いアドバイスこそ本当に価値があるもの、と考える素直なスタンスは絶対に必要。
- 頼り過ぎない関係性を維持できているか?
→自分たちで何も判断せずにアドバイザーに判断を求め始めたらお互いに末期。常に緊張感を持って、お互いにこの業務がなくなったら立ち行かない、みたいな依存関係にならないようにしておくことが必要。








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