20231210自分の得意領域はどこにある?

 先日、自分の得意領域はどこにあるか、というテーマで同業のコンサルタントと議論をした。彼は、ITだけでなく様々な分野への知識欲が強く、とても博識である。経営者のあらゆる悩みに答えることが出来る強みを持っていたりする。それでも、まだ自分の専門領域を追求していた。とても真似出来ないバイタリティだ。

 それでは私の得意領域はどこか。
 かつて大手シンクタンクを退職して、小さなITコンサル会社に転職した時、何か身ぐるみを剥がされた感覚というか、暖かいコートを失った感覚があった。周りの方は、大手シンクタンクの私、と付き合っていたことに気付いたし、私自身が、大手シンクタンクの私、として周りと付き合っていたのだ。

 結果的には、転職先で、なかなか仕事が取れずに悶々とするのだが、そんな私に声をかけてくださる方が一人二人と出てきてくれた。その方々は、大手シンクタンクの私、に対してではなく、『私個人』に期待して声をかけてくれたのだ。その時に、この仕事こそが私の得意領域なのだ、と気付く。得意領域は、自分で決めるものではなく、お客様が決めてくれるものなのだ。

 最近は、「公共分野で大所高所から意見を言うこと」を求められることが多く、きっとこのあたりがいまの私の得意領域なのだろう。いずれ、お客様からお声かけが無くなる時が来ると思うが、その時こそ、潔く引退をするタイミングと決めている(IT業界のためにも、その時が早く来い、とどこかで思っている私がいる(笑))。