コンサルタントに求められる能力②実施計画を立案する能力

 コンサルタントに求められる能力の一つに、コンサルティング業務の実施計画を立案する能力がある。これは意外に認識されていないことが多いが、私はかなり重要な能力だと思っている。

 お客様がコンサルタントに依頼する業務は、お客様自身のやりたいことが漠然としていたり、関係者の間で同床異夢であることが多い。だからこそ、目的、作業ステップ、体制、スケジュール、成果物などの記載はもちろんだが、私は作業ステップを詳細化したWBSの策定にもかなり拘る。コンサルティング業務なのにWBS?と思う方もいると思うが、お客様のゴールが漠然としているからこそWBSが重要だ。

 ここでいうWBSとは、置きにいったものではなく、リアルにプロジェクトを動くイメージが湧くような、一歩踏み込んだWBSのことだ。もちろん、業務の検討がこれから始まることもあり、想像も想定も含めて作ることになるのだが、それでも現時点考えられるコンサルティングストーリーの確度をあげてお客様と共有をすることが重要だ。
 またこのWBSは、コンサルティングを進めるうちに、お客様の状況や思考が変わりそのままでは使えなくなることが多い。ただ、お客様のその時々の感情を受けすぎて右往左往すると、どこに戻ってくればいいかわからなってしまう。だからこそ作成するWBSの幹は、ベーシックなコンサルティング手順をベースに置いて崩さないようにつつ、枝葉の部分を柔軟にうまく入れ替えて陳腐化させないようにする胆力が問われる。

 ベーシックな実施計画の立案能力、想像力を働かせた一歩踏み込んだWBSの策定能力、状況に合わせた柔軟性や胆力こそ、コンサルタントには問われる重要な能力の1つだ。

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