MSCシニアコンサルタントのしげくんです。今回は私の好きなモータースポーツとITとの関係についてお話したいと思います。
モータースポーツ、特にその最高峰であるF1においては、ITの活用がレースをする側、観る側双方にとって不可欠な要素となっていますので、それを簡単に紹介できればと思います。
2026年、F1は「環境」と「テクノロジー」の最前線へ
ところで、F1と聞いて「あんなガソリンまき散らしてレースするなんて怪しからん」という人もいるかと思いますが、近年のF1は内燃エンジンとモーターのハイブリッドとなっています。ハイブリッド車に乗られている方も多いと思いますが、ブレーキ時に充電(回生)し走行時にその電気でモーターを回す、という基本的な構造は変わりません。その出力も回生量も桁違いなので、単純比較は難しいのですが、市販のハイブリッド車よりもはるかにエネルギー効率が良いものになっているそうです。また2026年から、F1はガソリンすら使っていません。全てカーボンニュートラル燃料を使うことが義務付けられています。
開発の主戦場は「サーキット」から「コンピュータ内」へ
さて、ではITとの関連ですが、F1は毎戦ごとに技術が進化し、規則も年ごとに変わるので、基本的には毎年新しいマシンを作成します。その新設計のマシンは、ITでシステムを開発するのと同じで、組みあがったらテスト走行をします。レーシングカーのテスト走行というと、どうすればそのマシンが速く走れるのかをいろいろセッティングを変えてパフォーマンスチューニングをする、というのが以前の常識でしたが、今は違います。現代のテスト走行では、あらゆるところにセンサーをつけて、データを取得したり耐久性を確かめたりすることが主な目的となります。そして、そのデータをシミュレータに活用するのです。
このシミュレータというのは、わかりやすく言えば、レースゲームのようなものです。要するに、コンピュータの中でマシンを走らせるのです。今のF1では、規則でマシンを勝手に走らせることはできません。定められたテスト期間、テスト場所(サーキット)でしか走らせることができないので、テスト走行では、シミュレータと実車の相関を把握・調整するためにデータ取得に専念し、マシンのパフォーマンスチューニングにはシミュレータを用いる、という手法を使っています。レースの週末では、予選の前のプラクティス走行でセッティングを煮詰めていきますが、その時間は1時間×3回しかありません。なので、現地ではマシンを走らせ、そのデータを本国のファクトリーに送ってシミュレータで問題解決し実車に反映する、ということを繰り返してセッティングを最適化していくのです。
観戦スタイルもITで進化:アプリで楽しむ「マルチビュー」
観戦する側のITについても触れておきたいと思います。スポーツはテレビで観戦する、というがほとんどのスポーツで一般的だと思いますが、F1ではアプリで観戦するのがおすすめです。アプリはマルチビューに対応しており、テレビ放映の内容に加えて、例えば各車のタイミングモニタや、サーキットのどこを走っているのかを示すトラックモニタ、またF1マシンは全車カメラを搭載しているのですが、観戦している人がどのドライバーの車載カメラを見たいか選択して観ることができます。複数画面を立ち上げて、追っている側、追われている側の車載カメラを同時に観ることもできます。
これらがほぼリアルタイムで観ることができるので、ただテレビで観るより得られる情報量が格段に上がり、まるで自分がチームの監督にでもなったかのような気分を味わうことができます。
私は↓のような感じで3画面を立ち上げて、情報を切り替えて観戦しています。

F1は2026年から、地上波での放送が復活しているので、何かと目にする機会が増えるかもしれません。そんなとき、上記のITとの関連も思い出しながら興味を持っていただけたら幸いです。







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