よくコンサルティングをする上で一番重要なスキルは何か、と聞かれることがある。まあ、色々とあって一つを選ぶものではないのだが、あえて言うなら「ヒアリング能力」と答えるようにしている。
この回答をすると、えっ、という表情をされる人が多い。もっとコンサルタントらしく、マーケティング能力とか経営分析スキルとかを期待していたらしい。当たり前過ぎてビックリするようだ。我々の仕事は、お客様の困りごとや不満をヒアリングすることから始まる。これをしっかりやっておかないと、その先の現状調査や課題設定が頼りないものとなってしまう。
ただ、ヒアリングと言っても、お客様の言ったことを記録すればいいわけではない。お客様は、ご自身の目線と感性で困りごとを教えてくれる。これは事実の一つではあるが、全てではない。その言葉の裏側にある顕在的または潜在的な困りごとも想像しなければいけない。また、お聞きしたことに対して、角度を変えて見ることも必要だ。上下から見たり、左右から見たりすると、違う見え方をすることもよくある。これらはヒアリング能力に含まれるのだ。
さらには、お客様から困りごとを聞き出すための質問力、喋りやすい雰囲気作りなどもヒアリング能力に含まれる。ここまでくると、かなり難易度の高いスキルであることがお分かり頂けたのではないか。
このように偉そうに語る私だって、いまだに、上手く潜在的な困りごとを把握しきれず、後から新たな課題が出てくることがある。この難しい能力をいつかは私も手に入れたい。まだまだ研鑽の日々だ。
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